【デザイン用語集】ロック
Illustratorの「ロック機能」とは
Adobe Illustrator(イラストレーター)には、オブジェクトを誤って選択・移動してしまうのを防ぐための「ロック機能」がついています。
制作中のデータは、複数の図形やテキスト、ガイド線などが重なり合って配置されるため、ちょっとしたクリックで思わぬ要素を動かしてしまうことがあります。そのような事故を防ぎ、作業効率を高めるのが「ロック」の役割です。
入稿データにこのロック機能がかかっていると、思っていたとおりに印刷されずにお客様へ届く事も!
ロック機能をうまく使いこなして、不備のないデータを作成しましょう!
イラストレーターで使えるロックの方法は、主に2種類あります。
1.ベクトルデータや画像データを選択した状態でロックを掛ける方法
まずはロックしてみたいオブジェクト(要素)を選択してみましょう。
次にIllustratorメニューの『オブジェクト』から『ロック』>『選択』をクリックします。
いかがでしょうか?
ロックしたオブジェクトにカーソルを重ねても、目印のガイドが表示されず、選択できない状態になっているでしょうか。
デザインデータを作るときに、動かしたくないオブジェクトがある場合などに大活躍するツールです。
それでは、実践活用してみましょう!
例えばこんなデータ。
このデータの中の文字だけを一気に選択してまとめて変更したい!!
そんな時はロック機能の出番です!!
まずは背景、ロゴまわりの円形、名前の下のラインをshift(シフト)キーを押しながら、まとめて選択します。
次に、先ほどと同じ工程で、メニューの『オブジェクト』から『ロック』>『選択』でロックします。
ロックできたら、文字の部分をカーソルでまとめて選択してみましょう。
いかがでしょう? 文字だけを選択することができたのではないでしょうか。
テキストだけまとめてフォントを変えたり、色を変えたり自由自在!!
(※上記の例では、ロゴはアウトライン化されています)
ロックを解除するときは、メニューの『オブジェクト』から『すべてロックを解除』を選択することで
ロックのかかった要素からすべてのロックが解除されます。
2.レイヤーごとにロックをかける方法
次はレイヤーごとにロックをかける方法です。
名刺良品の入稿テンプレートも、レイヤーにロックをかけているので、見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。
なので、トンボなどあらかじめテンプレート内に配置されている要素は選択はできないはずです!
これはレイヤーごとロックをかけているためであり、今度はその方法をご説明します。
まずは、『レイヤー』のウィンドウが表示されているか確認します。
出ていない・見えない場合は、Illustratorメニューの『ウィンドウ』>『レイヤー』をクリックすると、表示されます。
『レイヤー』ウインドウには、開いているファイルに含まれるレイヤー(階層)が表示されています。
ここから、ロックをかけたいオブジェクトが入ったレイヤーの、目のマークの右の四角をクリック!
すると、
このように鍵のアイコンが表示されます。
これでレイヤー内にあるデータは全てロック完了!
ちなみにレイヤーをロックしている場合は、
『オブジェクト』>『すべてロックを解除』を選んでも、ロック中レイヤーに含まれるオブジェクトはロック解除されません。
ガイド線など、常に動かしたくないデータがある場合にはうってつけの方法です。
入稿時の注意点
印刷会社では、印刷するために入稿データをコピーし、印刷用のフォーマットに配置する「面付け」という工程が発生します。
ロックがかかっている要素には操作・変更を加えることができないため、「選択」や「コピー」ができません。
そのため、ロックされている要素は面付けに反映されず、データが抜けた状態で印刷されてしまうかもしれません。
印刷時に出力したいデザインデータにつきましては、必ずすべてのロックを解除した状態でご入稿をお願いいたします。
▶︎【データ入稿ガイド】Step07:不要データの削除、印刷データのロックは解除しましょう
いかがだったでしょうか。
ロックの特性をご理解し、ロック機能を上手く扱えれば、
より効率的に入稿データを作成できるので、是非ご活用いただければと思います。