【デザイン用語集】トンボ
印刷データに必要な「トンボ」とは
Illustratorで名刺データを作成して、いざ入稿……と思ったら「トンボがついていないので再入稿をお願いします」
となってしまった経験、ありませんか?
実はこの「トンボ」、印刷においてとても大切な役割を持っています。
今回は「トンボ(トリムマーク)」についてご紹介します。
「トンボ(トリムマーク)」って?
トンボ(英語では「トリムマーク」)は、印刷物を断裁する際の位置を示すガイドです。
名刺をはじめとして印刷物は、大きな紙にまとめて印刷された後、断裁機でカットされて仕上がりサイズに整えます。
そのときに断裁の目印となるのがこのトンボです。
- 角トンボ(コーナートンボ):四隅に付けるL字型の線
- センタートンボ:上下左右の中央に付ける線(位置調整用)
なぜトンボが必要なのか?
トンボがないと、印刷時に正確なカット位置がわからなくなるため、ズレの原因になります。
また、「背景をフチまでベタ塗りのデザインにしたい」などの場合、角トンボのL字の位置まで塗り足しが必要です。
正しいカット位置を示すトンボと、カット位置を越えての塗り足しがないと、
断裁したときに用紙の地の色がスジとして残ってしまい、見栄えを大きく損ねてしまうことも。
再入稿や納期遅れを防ぐためにも、データ作成時のトンボと塗り足しは必須です。
名刺サイズと「塗り足し」って?
日本の一般的な名刺サイズは、91mm × 55mm。
ですが、実際にIllustratorなどでデータを作成するときには、上下左右に最低でも3mm以上ずつ塗り足しが必要になります。
データとしては91mm × 55mmぴったりではなく、塗り足し範囲込みで97mm × 61mmのデータとなります。
逆に、文字やロゴ画像など切れてしまうと困るデータは、断裁位置よりも2mm以上内側に収める配置でデータを作成します。
塗り足しについては、詳しくはこちらをご覧ください。
名刺良品のテンプレートを使えば、トンボ設定も安心!
名刺良品では、Illustrator形式(.ai)で作成されたテンプレートファイルを多数ご用意しています。
zip形式でダウンロードいただけるようになっており、各サイズごとに下記のテンプレートファイルが一式含まれています。
- 通常印刷用(縦型/横型)
- 箔押し加工用(縦型/横型)
名刺良品のテンプレートを使ってガイドに沿って入稿データを作成いただくことで、
トンボの付け忘れや塗り足しの不足といったトラブルを防げます。
特に、加工オプションで「箔押し」をご希望の場合は、箔押し加工専用テンプレートを使っていただく必要がありますのでご注意ください。
入稿用テンプレートのDLはこちらから。
名刺良品のテンプレートの使い方(Illustrator)
1. Illustratorでテンプレートを開く
2. 「データ貼り付け」レイヤーに印刷データを作成
※紙のフチまで印刷したいデザインの場合、点線(トンボ)位置までデータを作成してください。
▶︎【データ入稿ガイド】Step04:印刷・断裁ズレを考慮したデータを作成しましょう
※「説明文」レイヤーは編集せず、ガイドとしてご利用ください。
※箔押ししたいデータがある場合は、箔押し加工専用テンプレートの「〇〇箔データ貼り付け」レイヤーにK100%でデータを作成してください。
3. テキストデータは、『書式』>『アウトラインを作成』でフォントをアウトライン化する
▶︎【データ入稿ガイド】Step02:フォントはすべてアウトライン化しましょう
4. 画像を配置する場合、PPI300〜350であることを確認・設定のうえ、「埋め込み」を設定
▶︎【データ入稿ガイド】Step03:リンク切れを防ぐために画像は埋め込みましょう
5. カラーモードがCMYKになっているか確認し、設定
▶︎【データ入稿ガイド】Step05:色数とカラー設定は一致しているか確認しましょう
6. 完了後、トンボが見えている状態で「Illustrator 形式(.ai)」でファイルを保存
※入稿データを作成するときの確認事項については、『入稿データ作成ガイド』をご覧ください。
自作サイズの場合のトンボ設定方法
テンプレートにないサイズをご希望の場合は、ご自身でトンボを作成いただく必要があります。
Illustratorで作成する場合
1. アートボードサイズを「仕上がりサイズ+6mm(塗り足し)」に設定
2. アートボードと同じサイズの長方形をアートボード上に作成
3. メニューの『オブジェクト』>『トリムマークを作成』を選択し、アートボードの外側に「トリムマーク(トンボ)」を作成
以降の手順は、名刺良品のテンプレート使用時と同じ要領で『入稿データ作成ガイド』に沿ってデザインを作成ください。
紙のフチまで印刷したいデータがある場合も、同様にトンボの位置まで塗り足しデータを作成してください。
よくあるトンボのミス事例
- トンボがない → 断裁位置が分からないため NG
- トンボはあるが、注文内容とデータでサイズが違っている → 注文内容のサイズと入稿データのトンボが同じになるよう調整
- トンボはOKでも、塗り足しが不足 → 断裁時に紙の地の色が出て、思い通りのデザインにならない可能性
このようなデータは印刷工程に進めることができないため、再入稿依頼をさせていただいております。
ご入稿の前に、改めてお手元のデータをご確認いただけますと幸いです。
データチェックサービス・デザイン代行
名刺良品では、以下のようなサポートもご用意しています。
名刺良品はご入稿いただいたデータをそのまま印刷するサービスですが、
オプションで弊社スタッフが入稿データを確認する「データチェックサービス」も実施しています。
「作成データに不安がある」「クライアントに直接納品するからミスを避けたい」という方におすすめのサービスです。
入稿用データを持っていない方や、Illustratorをお持ちでない方向けのサービス。
名刺良品で注文可能なサイズであれば、作成したデータをそのまま印刷・納品することも可能です。
また、名刺良品で再入稿が必要になったデータ不備の修正も有償で承っております。
入稿が初めてという方は、弊社のテンプレートを使ってデータ作成の上、データチェックサービスをお申し込みいただくのがおすすめです。
よくある質問:トンボに関するQ&A
Q:PhotoshopやCanvaで作ったデータでも入稿できますか?
A:名刺良品では、Illustrator(.ai)形式のみで完全データ入稿を受け付けています。他ソフトで作成されたデータの場合は「オンライン作成名刺」のデータはめ込み用テンプレートをご利用いただくか、「デザインお助け隊」をご検討ください。
Q:欧米サイズや正方形サイズのテンプレートもありますか?
A:はい。名刺良品では、欧米サイズ(89×51mm)や正方形(55×55mm)など、豊富なサイズに対応したテンプレートをご用意しており、いずれも無料でダウンロードできます。
トンボを正しく設定して、安心して名刺印刷を!
名刺データ作成でも特に多いトラブルのひとつが「トンボの設定ミス」です。
名刺良品のテンプレートをお使いいただくことで、トンボや塗り足し、テキストなどの配置範囲までしっかりガイド付きで確認でき、トラブルを避けやすくなります。
トンボは「仕上がりの正確さ」と「印刷品質」を守る大事なパーツです。
テンプレートやデータチェックサービスを上手に活用して、スムーズな名刺作成を体験してみてくださいね。
ご不明点があれば、お気軽に名刺良品のサポート窓口までお問い合わせください。