【データ入稿ガイド】Step04:印刷・断裁ズレを考慮したデータを作成しましょう
印刷・断裁ズレについてご確認ください
気候の変化に伴う用紙の状態や機械の精度などによって、印刷・断裁時にどうしてもわずかなズレが発生します。名刺良品では、避けられないズレを考慮し品質向上に努めた結果、2mmまでの印刷・断裁によるズレに関しては許容範囲とさせていただいています。
01. ズレが生じる原因
機械に用紙を通す際に、主に用紙の伸縮や静電気が原因でズレが生じます。
用紙を機械に通すことで、用紙内の水分量が機械内部の熱や湿度によって変化し、用紙の長さや大きさがわずかに伸縮します。これにより、データ上の印刷・断裁位置からズレが生じてしまいます。
名刺良品では、印刷・断裁前の用紙の水分量が変化しないよう、季節ごとに適した湿度と気温で保管していますが、機械に通すことで生じる水分量の変化はどうしても完全に防ぐことができません。
また、静電気の影響で、機械に通した用紙がわずかにズレる場合があります。
02. ズレの範囲
例えば、両面印刷をすると用紙は機械へ3回(印刷機へ表面と裏面の計2回+断裁機へ1回)通されます。それぞれの工程で0.5mmずつズレが生じるとすると、最終的に1.5mm程度のズレが発生します。
実際のズレの程度は、印刷・断裁の環境によって異なります。弊社では検証の結果、最大2mm程度のズレはどうしても発生してしまうものとして、 2mmまでの印刷・断裁によるズレに関しては許容範囲としています。
弊社では、印刷のズレを補正する機能が組み込まれた最新のオンデマンド機器を導入していますが、数ミリのズレもなく仕上げてくれる印刷機は存在していません。
断裁でも同様に、機械の限界によるズレは完全に防ぐことができませんが、独自の改良を加えることでなるべくズレが生じないよう、品質の向上に努めています。
03. 塗り足し(フチなし印刷)について
上記でご紹介させていただいたように、印刷・断裁時にはズレが生じます。
仕上がりサイズのフチまでデザインを印刷(フチなし印刷)したい場合、データを仕上がりサイズぴったりに作成すると、ズレが生じることでフチに意図しない余白が出てしまいます。
フチなし印刷をする際は、ズレを考慮して仕上がりサイズよりも余分にデータを作成する必要があります。これを「塗り足し」と言います。
※「ドブ」と呼ばれる場合もあります。
「塗り足し」は、仕上がりサイズ(裁断位置)より外側に3mm以上必要です。
塗り足しのないデータで入稿すると・・・
04. 印刷・裁断によるズレは外側だけでなく、内側にも影響します
塗り足しの必要がないデータでも、仕上がりサイズぎりぎり(下図水色の範囲)に文字やデザインを配置していると 印刷・裁断のズレによって大切な情報が切れてしまう恐れがあります。
切れてしまっては困る文字情報やロゴなどのデザインは、必ず仕上がりサイズよりも2mm以上内側に納めて配置してください。
Point!
断裁位置に対して
・塗り足しは3mm以上外側に作成しましょう。
・文字情報やロゴなど切れてしまうと困るデザインは2mm以上内側に作成しましょう。
05. 裁ち落とし加工について
裁ち落とし加工とは、塗りたし部分を含めて用紙を断裁し、目的のサイズに仕上げるオプション加工のことを指します。
塗り足しが作成されているデータを「裁(断)ち落としデータ」と呼ぶ場合もあります。
裁ち落とし加工は「印刷・断裁ズレを考慮して作成された、塗り足しを含むデータをご注文サイズに仕上げるオプション」です。「データの断裁位置と一切のズレなく実物を仕上げるオプション」ではありません。予めご了承ください。